- エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする
- 著者:グレッグ・マキューン
- 訳:高橋璃子
- 発売所:かんき出版
限られた時間で何をし、何をしないか。
そんなことを考えたことはありませんでした。
目の前の課題をこなしつつ、別の課題が出ればそれに手をつけ、また新しい課題が出れば手をつけ。
気づいたら、今、優先順位が高い課題はどれかが分からなくなっていたり。
本当は優先しなければいけないと分かっている課題を後回しにしたりということもありました。
- 頼まれれば引き受けてしまう
- 頼まれてもいないのに首を突っ込んでしまう
厄介なのが、自分から地域活動やPTAなどに参加しておきながら、途中で面倒になってしまうことが多いんです。
それなら最初から首を突っ込まなければいいのに、いい格好して「やります」って言ってしまう自分がいたんです。
その結果、「忙しい忙しい」が口癖になっていました。
エッセンシャル思考で取捨選択を極める
何でもかんでも首を突っ込むと、結果的に他のことをする時間がなくなる。
それは分かっていました。
それでも自分の中で判断基準がなかったため、とりあえずやってみよう、引き受けてみようと思っていた自分がいました。
問題はそこです。
- 何でも引き受けるのが良い
- 断ることが悪
そういう考えがあったのでしょう。
そもそも選択肢が多すぎるのでしょう。
毎日毎日、人は選択をし続けています。その中で、「するかしないか」などの選択を繰り返します。
何かにつけて決断を強いられていると、途中から「決断疲れ」を起こしてしまい、自分がどこに向かっているのか、何を大切にし、何を優先するのかが、だんだん分からなくなってしまったいたのかもしれません。
「エッセンシャル思考」には、こう書かれています。
自分で優先順位を決めなければ、他人の言いなりになってしまう。
しかし、優先順位を決める基準、スキルを持っていないと、結局は決断疲れとなってしまう。
この本で学べることはこういうスキルです。
「見極める技術」として、「するかしないか」を見極める。
「捨てる技術」として、「しないことはしない」と断る技術。
「しくみ化の技術」として、すんなり実現するような仕組みを作る技術。
今まで自分が、深く考えずに、選択を繰り返していたかが分かりました。
もう1箇所、私が気に入っている文章があります。
非エッセンシャル思考の人は、何でもがんばろうとしすぎる嫌いがある。
まさに過去の私です。
仕事においても、いろいろなことを並行してこなしていると、すごく効率がよく、仕事をしている気になっていました。
でも現実はどれも中途半端で、どれか一つ、「これは自信がある」と言えるものがなかったんです。
分散と集中のどちらが良いとか悪いではない
「集中」か「分散」か。
投資においても分散するのは良くないといいますが、逆に「卵は一つのカゴに入れるな」という分散投資を勧める言葉もあります。
事業においても同様で、一つの事業だけだと、何かあったときに倒産してしまうので、基盤となる事業を2つか3つ持つという考えもあります。
エッセンシャル思考では、何でもかんでも断って(捨てて)、何かに集中しましょうという話しではありません。
選択の際によく考えて、本当に必要なことだけしましょうということです。必要でないなら断りましょうと。
決して、分散が悪いというわけではありません。
エッセンシャル思考で断ることに抵抗がなくなった
この本を読んで私が変わったのは、断る術です。
断るのは決して悪いことではないということです。
本当に必要だと思えば参加すればいい。でも何となくで参加するのはやめようと思えたんです。
今何が重要かを考える、それは、この本でも引用されている「ティク・ナット・ハン」の考えに通ずるものがあります。
マインドフルネスの、「今、ここ」に集中することが大切だと。
何をするかを「エッセンシャル思考」で選別し、すると決めたことは、マインドフルネスで「集中」して実行する。
いきつくところは、「今を大事にしよう」ということですね。
ストレスを感じることが多い地域活動ですが、価値観の違う人と会うことは自分の成長にも繋がると思っています。それは今でも変わりません。
しかし、何も考えずに「とりあえず参加した」活動も多くあります。そして、後悔するんです。
「何のために参加したんだろう?」「誰とも別に話す機会はなかったな」という感じです。
今は、本当に必要だと、自分のためになる、人のためになると、自信を持てる時だけ参加することにしています。
この本の中で、心理学に関する言及もあります。「学習性無力感」「サンクコスト(埋没費用)」「現状維持バイアス」など。
ところどころ、エッセンシャル思考とどう関係があるのか?と思う箇所もありましたが、何回も読み返す価値のある本だと思います。
エッセンシャル思考を要約してみる
何をし、何をしないか。
それを考えさせられる一冊。
私含め、何かしたけど、結局何のためにしたのか?する必要があったのか?後で後悔だけが残った経験がある人は少なくないと思う。
何かをするといことは、何かをしないということ。
トレードオフを無視すると、結果的に、どれもこれも中途半端になってしまうことが多い。
エッセンシャル思考では、徹底的に選ぶこと、捨てることを考えさせられます。
読み終わると、早速、何をするべきか、そして何をしないでおくか、それを考えるようになった。
決して嫌なことはしないという意味ではない。
この本を読むと、生活パターンが変わったことに気づいた。
優柔不断、人から頼まれたり誘われたりすると断れない人におすすめの一冊。
この要約を書いたのが2018年8月31日。実際に読んだのは2016年頃だったと思います。
時間をあけて、また要約してみたいと思います。