GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代-感想

GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代
著者:アダム・グラント
監訳者:楠木 建
発行所:三笠書房

GIVE&TAKEで生きてきた人生

人生を振り返ってみると、まさにGIVE&TAKEを繰り返してきたと感じます。

先にこちらからお世話をし、そのお返しを受けたこともあれば、その逆のこともあります。

何かしてあげて、見返り、例えばお礼の一言もなければ、損した気分になることもありました。

そうかといって、自分自身も、恐らく、何かしてもらったのにお礼の言葉を伝えることもなかったことは何度もあったことでしょう。

多かれ少なかれ、今までもこれからも、「持ちつ持たれつ」「ギブアンドテイク」「お互い様」で人と接することも多いことでしょう。

GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代(以下:「GIVE&TAKE」)を読み終わり感じたこと。

まずは、自分から与える人になろうと。

そして、何か見返りを期待するのでは行動しようと。

「GIVE&TAKE」より覚えておきたいことをまとめておくこととします。

著者のアダム・グラントは組織心理学者。どうりで書籍の中で心理学に関する言及がでてくるわけです。組織の作り方、コミュニケーション能力向上、心理学好きにもおすすめの一冊です。

こちらはTEDの動画です。短いのでぜひ見てくださいね。本を読む前でも、読んだ後でも、本を読むだけより動画も見たほうが頭に入ります。

ギバー・テイカー・マッチャーの傾向を知る

「GIVE&TAKE」で書かれているのは、書籍のタイトルにある通り、与える人になりましょうということが書かれています。

与える人、つまり「GIVE&TAKE」ではギバーと呼ばれるタイプです。

人間には3つのタイプがあるとのこと。

  • ギバー 人に惜しみなく与える人
  • テイカー 真っ先に自分の利益を優先させる人
  • マッチャー 損得のバランスを考える人

人はみんな、どれかのタイプに当てはまるということではありません。

それぞれのタイプを人は使い分けているのです。しかし、仕事におちては、3タイプのどれか一つになっていることが多いようなんです。興味深いですよね。

「GIVE&TAKE」の本の中で、たくさんの事例を挙げながら、それぞれの特徴に関する記述があるのですが、まずは、それぞれの特徴を、書籍の中から引用していきます。カッコ内の数字は、引用元のページです。

ギバーの特徴(与える人)

他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う(028)
「お人好しで、他人にいいように使われる人」と思われがちだが、実は意外にも成功者が多い。(035)
「ギバーであることは百メートル走では役に立たないが、マラソンでは大いに役立つ」(045)
成功しているギバーは、四つの重要な分野-人脈作り、協力、人に対する評価、影響力-で、独自のコミュニケーション法を用いる。(059)
すべての人の中に可能性を見出そうとする(170)

テイカーの特徴(自分優先の人)

常に、与えるより多くを受けとろうとする(027)
自分中心に考える(028)
部下に対しては支配的になるが、上司に対しては驚くほど従順(069)
自分のことで頭がいっぱいなので、三人称の代名詞(私たち)より、一人称の代名詞(私)を使うことが多い(076)

マッチャーの特徴(バランスを考える人)

与えることと受けとることのバランスをとろうとする(029)
常に公平という観点にもとづいて行動する(029)

以上、ギバー、テイカー、マッチャーの特徴を、書籍からいくつか引用しました。

これ以外にも特徴はたくさんありますが、あとは書籍にて。

アダム・リフキンに学ぶ5分間の親切

コミュニケーションにおいて、どうGIVE&TAKEを考えるか?

本の中にはたくさんのヒントがありますが、私の中では、「アダム・リフキン」について書かれたページだけでも読む価値があると思いました。

「五分間もあればできる親切を、誰にでも喜んでしてあげるべきなんです。」(105)

リフキンは初対面の人に質問し、五分間の親切ができないか探すんです。

見返りを期待することなく。それがすごいですよね。

ついつい何かをしたら「何が返ってくるか」を考えてしまうことがありますが、そうではないんです。

一方通行で親切をする。

五分間できるかは別として、初対面の人に、「自分に何かできることはないか?」と考えてみたいと思います。

「自分ばっかり」と嘆かないために責任バイアスを知る

責任バイアスとは、「相手にしてもらったことより、自分がしてあげたことのようをよく覚えている」ということ。

要因の一つは、「受け取る情報量の差」。

自分がしてあげたことは、自分は全部分かっています。

ところが相手がしてくれたことは、ほとんど分かっていません。もしかしたら、会ってない時間にたくさん労力を使ってくれていたかもしれませんが、こちらはそれが分かりません。

この解決方法が示されています。

相手がしてくれたことをリストにする
自分自身がしてあげたことを評価する前に

「あれもこれもしてあげたのに」と思う前に、先に相手がしてくれたことをリストにする。

簡単そうで難しい。常に感謝の気持ちを持ちましょうというのも、言葉で書くのは簡単でも、怒りの感情が沸いている時に、「もっと感謝しましょう」と言われても、「はい、じゃあ、感謝の言葉をすぐに伝えます」とは簡単にいきません。

それでも、頭に入れて、アウトプットするようにすることが大切です。

してくれたこと、感謝することをリストにする。マインドフルネスの本でも出てきました。

この「自分ばっかり」という感覚は、夫婦関係では特に多いかもしれません。なぜかというと、一緒にいる時間が短い(家庭によりますが)割には、共通の課題を持つ量が多いからではないでしょうか。

会社の同僚では、共通の課題自体がそれほど多くありませんし、家に帰れば、かかわりのない人間です。

ところが、夫婦となると、「家の購入」「子育て」「子供の進学」「親の介護」「旅行の計画」「家事全般」「生活費を稼ぐこと」など、課題自体は共通してるようですが、実際は奥さんがすることも多いでしょう。

そうなると、「私ばっかり」となってしまいます。しかし、旦那さんも、遊びほうけているならまだしも、一所懸命、ストレスに耐えながら、家族のために働いているかもしれません。分かりませんが。

この手のすれ違いは、各家庭で解決できればいいのですが、それが難しそうであれば、カウンセリングなり、講習などのワークで、相手がしてくれていることをリストにする作業をするのもいいでしょう。

質問し相手の話しに耳を傾けるギバー
「GIVE&TAKE」の中では、ギバーの特徴の一つとして、質問すること、が載っている。

なぜなら、人は自分のことを話すのが好きだから。

このブログの中でも、「相手の話しを聴くこと・質問すること・自己開示すること」、これならの大切さは何度も書いてきました。恐らく、コミュニケーション能力向上に役立つような情報では、こういった、質問、傾聴、開示について書かれているものが多くあります。

「GIVE&TAKE」の中でも質問することの大切さについて書かれています。

それはセールスの時でも同様です。

私はサラリーマン自体に、コピー機の飛び込み営業をしていたいことがあります。ワゴン社に数人乗り込み、適当な場所に降り立ち、そこから、営業マン数名が、会社に飛び込んで営業してまわる。いい経験でした。

その時は、質問の大切さを全く知りませんでした。

いかに、取り扱っているコピー機が今使っているコピー機より優れているかを伝えるだけのセールスでした。

今思うと、世間話と質問だけしていれば、もっと成績は良かったのかもしれません。

相手が何を求めているか(必要としているか)を知ろうともせず、こちらの要求だけを突きつけても、その時点で結果は見えていたのかもしれません。きっと私はテイカーだったのでしょう。自分の主張を押し付けていたわけですから。

アドバイスを求めることが人に影響を与える

自分で何でもするほうが早く終わる。

会社員時代、いつもそう思って、何でも自分でしようとしていました。

まして誰かにアドバイスをもらおうなんて考えたことありませんでした。

自信過剰だったのでしょう。若かったですから。

「GIVE&TAKE」の中で、紹介されている、有利な交渉術。それが「アドバイスを求めること」なんです。

なぜ私が若い頃、アドバイスを求めなかったかというと、能力を低く見られるからだったのでしょう。「自分は分かりません、知りません、だから教えて下さい」と、自分より相手のほうが上であることを認めた上でのアドバイスだからです。

人にアドバイスを求めることの4つのメリットについては、書籍にて読んでみて下さい。

このギブに価値ががあるのか悩む~ボランティアでもありえるかも

ギバーが燃え尽きるとき。それは「自分の努力が本当に価値があるのか」とう疑問が沸いてきたとき、とのこと。

これは分かる気がします。地域のボランティ活動などをしていると、中には、「これは私が参加しなくても何も影響なかった」「私が来る必要あったのか?」と思うような集まりが少なくない。

そんなこと考えなくてもいいのかもしれませんが、やはり自分を本当に必要としている場所で何かしたいという思いがあります。

人の役に立っていると自信を持てるかどうか、それがボランティでは重要になってくる気がします。

「GIVE&TAKE」を読んだまとめ

「GIVE&TAKE」に書かれているのは、組織心理学、コミュニケーション術、セールス術など、単に、3つのタイプの人間がいて、それぞれどういった性質を持っていて云々といった話しではありません。

むしろ、多くの事例で紹介される、多くの人が悩んでいそうな困難について、解決のヒントを与えてくれてる場面がたくさん出てきます。

本のタイトルに「成功」という言葉が入っているので、仕事で成功することを連想していましたが、仕事に関して意外の場面でも役立つコミュニケーションスキルがたくさん出てきます。

リフキンの言う「5分間の親切」。早速私のワークに取り入れてみたいと思います。