お悩み相談に回答します。
20代女性匿名希望さんからです。
それでは僕からの回答です。
悩み相談された時は「解決しない」「アドバイスしない」でいい
悩み相談といっても、いろんなタイプがあると思います。
あなたが受けている悩み相談というのがどういうものか分かりませんが、まずは、「そもそも相手は、愚痴や話を聞いて欲しいだけなのか、具体的なアドバイスが欲しいのか」のどちらでしょうか。
ただ、愚痴をいいたいだけだったり、誰かの悪口を言いながら「どう思う~?」とか言ってくるようでしたら、それは悩み相談とうより、相手は誰でもいいから言いたいだけかもしれません。
それであれば、そういう人とは距離を置くのも一つだと思いますよ。
あまりにも身近すぎる人で、距離を置けないようでしたら、話半分で聞いてもいいでしょうけど、時間が勿体ない気もします。
可能であれば、距離を置く、無理なようでしたら、出来るだけ早めに話を切り上げるのがいいと思います。
だって、相手は誰でもいいから愚痴を言って自分のストレスを発散したいだけかもしれませんからね。
そうではなく、真剣な悩み相談の場合。
今回は、こちらの場合だと想定してお答えしますね。
悩みの相談をされてどうアドバイスしたらいいか分からないとのことですが、まず、いくつか知っておいて欲しいことがあります。
- 基本はアドバイスはしない
- 見返りを期待しない
この2つです。
相手の方がどういう悩みかは分かりませんが、悩んでいる状態というのは、いくつかの選択肢の中で決め切れていない状態だと思います。
たとえばこういう悩みだったとしますね。
- 彼氏と別れたい
- 仕事を辞めたい
- 学校に行きたくない
実は、この悩みには、いくつかの葛藤が潜んでいるんです。
- 彼氏と別れたい、けど別れたくない気持ちもある、なぜなら~
- 仕事を辞めたい、けど辞めたくない気持ちもある、なぜなら~
- 学校に行きたくない、けど行きたい気持ち、行かないといけないという気持ちもある
このように、複数の感情が入り時混じっているから悩んでいるんです。
もし、彼氏と別れたい気持ちが100%なら、迷うことも悩むこともないと思います。すぱっと別れて終わりにしていると思います。
分かりやすいように、ここからは「彼氏と別れたい」という悩み相談として続けますね。
相手「彼氏と別れたいのよ。もう好きな気持ちもなくなってきたし。」
あなた「そうか、それなら分かれたらいいんじゃない。」
相手「でも、もうちょっと付き合ってたら、また前みたいな気持ちに戻れるかもしれないのよね。」
あなた「じゃあ、もうちょっと様子を見たら?」
相手「でも、会うとイライラしたりするのよね。」
つまり、あなたがどちらか一方の案に向けてアドバイスをしても、相手には葛藤がありますから、もう一方の案を持ち出して、反論してくることがあります。
そうなると、聞いてるあなたのほうが「アドバイスしてあげてるのに何?」とストレスになってきたりします。
基本はアドバイスはしないでいいと思います。
もし相手から「アドバイスが欲しい」と言われても、「あなたはどう思うの?」と掘り下げて質問してみるのもいいと思います。
結論は相手に出してもらう。
これを軸にすればいいと思います。
あなたが、悩みを解決してあげようと思わないほうがいいと思いますよ。
ひたすら、相手の中にある葛藤を話してもらうだけでいいんです。
否定、反論、アドバイスせずに、最後まで話を聞く。
これが僕がいつもお伝えしている、話の聞き方です。
この「最後まで」というのは、悩み相談であれば、相手が葛藤を全て出し切るまで、と考えてみるのもいいでしょう。
そしてもう一つ。
見返りを期待しないということです。
あなたが悩み相談に乗ってあげて、ことが上手く進んだとしても、感謝されるか分かりません。
一言もお礼の言葉もないかもしれません。
悩み相談に乗ってあげたからには、感謝の言葉があって然りと思わないことです。
相手の言動はコントロールできませんからね。
<答えに困ります。何かいい返しとかありますか。>
とありましたが、いい返しは分かりません。
そもそも、どう返そうかは考えないほうがいいです。
悩み相談に乗る、ということは、相手の葛藤を吐き出させてあげる、くらいに思っているほうがいいと思います。
解決してあげないといけない、なんて思わないことです。
人は、話してるうちに、自分の頭の中にある知識や情報や経験や知恵などを取り出そうと考えます。
その時に、自分の中で思ってもなかったことがふと浮かんだりして、悩みが解決できたりします。
そのお手伝いをするくらいでいたほういいと思います。
ただ、答えは自分で出してるけど、あとは背中を押して欲しい、というのであれば、最後の一押しをしてあげればいいです。
悩み相談のことで悩むなんて、とても優しい人なんだと思います。
聞きすぎて疲れてしまう人もいますから、無理だけはしないで下さいね。
回答は以上です。
以下、僕の考えを少しお話します。
悩み相談は決め付けないことが重要
「仕事を辞めたいんです。」
そう相談されたら、当然「仕事を辞めたいんだ」と思うことでしょう。
ところが、それが本心なのか分かりません。
もしかしたら、本人自身が、どれが本心かも分かっていないかもしれません。
それが葛藤です。
仕事を辞めたい気持ちとやめたくない気持ち、やめにくい気持ちなどが入り混じってる状態です。
そこで、ちょっと話を聞いたところで「じゃあ、辞めたら」というと、相手は「ろくに話も聞かずに!」と不満を感じるかもしれません。
もし、相手が本当は「やめたくない気持ち」のほうが強い場合に、「じゃあ、辞めたら?」と提案しても、「いやいや、そんな簡単に言わないで」と言い返してくるかもしれません。
人間関係の悩み相談でも同じようなことが起こります。
「職場に苦手な人がいるんです。」
そう相談されたら、「じゃあ、距離を置けばいいのでは?」というのは簡単です。
でもやはりそこには葛藤があったりします。
距離を置けばいいのは分かっているけど、隣の席の上司のことなので、距離を置きようがない場合もあります。
僕の考えでは「相談に乗る」ということは、「葛藤を吐き出すお付き合いをする。そして、自分で答えを出すお手伝いをする。」という感覚がいいのではないかと考えています。
相手の悩みに深入りしないというか、相手が結論を出すのを待つというイメージです。
悩んでいる人に対して「大丈夫だよ」とか「そのままでいいんだよ」という言葉をかけたりかけられたりすることもあるかもしれませんが、それも時には危険です。
「学校に行きたくないんです。」
そういう相談を受けたとして「大丈夫だよ、学校に行かなくても」というアドバイスも時に危険です。
本人が心から「大丈夫だ、このままでいい」と思えるようになるなら、もっと言うと、そう思い続けることが出来るならその言葉もいいのですが、そこにも葛藤がある可能性があることを忘れてはいけません。
僕は高校生の頃に一時期学校に行っていない頃がありましたが、自信を持って学校を休んでいたわけではありません。
どこかで「学校に行かないといけない」という焦りとか「このまま休んでたらどうなるんだろう」という不安も常にありました。
その葛藤を理解しようとせずに「学校に行きなさい」とか「行かなくてもいいよ、大丈夫だよ」と言われても、本人がどちらの気持ちもあるわけなので、すっきりしないんです。
もし、「大丈夫だよ」とか「このままでいい」という言葉を使うなら、そこから先も関わり続けながら、その言葉をかけ続けることが大切だと思います。
また、なぜ大丈夫なのか、なぜこのままでいいのかを、本人が納得できるまで話してあげる必要があると思います。
僕が数年前、子供のことで悩んでいる時に、何度も言われたのが「大丈夫ですよ」という言葉でした。
臨床心理士だったか、資格を持ったカウンセラーさんでしたが、安心させようと思って「大丈夫」という言葉を使ったんだと思いますが、その後、僕の精神状態はさらに悪化していきました。
もちろん、「大丈夫だよ」という言葉に救われた人もたくさんいるでしょうから、それが悪いというわけではありませんが、きっとその言葉に救われた人は、それを言った人との信頼関係があったり、関わりが長かったりということもあったんだと僕は思います。
話を戻しますが、部下、後輩、友達、子供、色んな相手から悩みを相談されることもあると思います。
あなたが普段、どういう相手から悩み相談を受けているかは分かりませんが、誰が相手であっても、「決め付けない」ことをおすすめします。
「あなたはこういうことで悩んでいるんですね。」ということを決め付けないということです。
仕事を辞めたい、という悩み相談であっても、その奥に「職場でいじめられている」という状況があるのかもしれません。
仕事を辞めたいけど、実際は金銭的なこともあって、今辞めるわけにはいかないのかもしれません。
決め付けてしまうと、アドバイスをして何とか助けてあげたくなってしまうかもしれません。
ところが、先ほども言いました、葛藤があるとしたら、その中の一つの選択肢をあなたがおすすめすると、もし、それで上手くいかなかった時に、下手をしたら怒りの矛先があなたに向くことだってあるわけです。
最後にもう一度いいます。
相手の悩みを解決しようとしないことです。
あなたに出来ることは、相手の葛藤を引き出してあげなあがら、相手が自分自身で答えを見つけれるサポートをすることです。
ですので、誰から相談されても慌てることも、悩むこともありません。
上手く返さないといけないと思うこともありません。
まずは聞くこと。
やってみて下さい。
以上となります。