そういうご相談をいただくこともあります。
雑談が苦手、何を話していいか分からないというお悩みは少なくないと思います。
こういう方に向けてのコラムとなります。
- 会話を続ける方法を知りたい
- 会話でいい返しが思いつかない
- 雑談の苦手意識をなくしたい
今回は、会話を続ける方法として「質問力」について考えていきます。
なお、雑談についてはこちらでまとめていますので、あわせて参考にして下さい。
では本題です。
会話を続ける方法の前に知っておきたいこと
会話を続ける方法はあります。
ここでご紹介する、質問力を鍛える方法で、日々トレーニングしていくことで、会話が続きやすくなると思います。
ただ、知っておいたいただきたいことがあります。
それは、「会話を続ける気がない人」もいるということです。
例えば、プレイベートで嫌なこと不幸なことがあって落ち込んでいるとか、職場で上司にあまりにも酷い怒られ方をしたとか、家庭内でのトラブルとか。
とにかく今は誰とも話したくない、楽しい会話をする気分ではないということもあるかもしれません。
あるいは、もともと雑談が好きではない人もいます。
職場では雑談はしたくない、という人もいます。
つまり、「誰が相手でも会話がずっと続く方法はありえない」ということです。
これは、僕がコーチとして、そしてボランティア活動を通じて感じたことです。
ただただ、楽しい会話になったらいいなと思って話しかけても、そっけない人もいますし、目もあわせてくれない人もいます。
もしかしたら、元々僕のことをよく思っていなかったのかもしれませんし、その場所では話しにくかったのかもしれません。
理由は分かりません。
僕が言いたいのは「会話を続ける方法はあるけど、絶対続くかなんてのは、誰にも分からない」ということです。
ですので、質問してみて、会話が続かなくても全く気にする必要はありません。
盛り上がる話題と思っていたら、全然盛り上がらないこともあります。
そしたら、また別の方法を試してみたらいいだけです。
コミュ力を鍛える、質問力を鍛えるというのは、本を読むだけ、セミナーを受けるだけでどうにかなるものではありません。
毎日、一人で出来る練習方法、トレーニング方法がないことには、底上げしていくことが難しいと感じています。
まずはそれを知っておいて下さい。
では、ここから、会話を続ける方法に入っていきます。
今回は「質問力」に特化します。
会話を続ける方法は質問力「広げる質問」と「深める質問」
会話をもっと広げたい、深めたい。
そういうご相談は多いです。
では、会話を広げる、深める、というのはどういうことでしょうか?
これを紐解いていきましょう。
コーチングの際には、だいたい言葉を分解したりすることから始めますので、ここでも、皆さんもぜひ一緒に考えて見てください。
ここで書いているのは、あくまで僕の感覚ですので、正解とか合ってるとかはありません。
もし、皆さんからして、「会話を広げるとか深めるというのは、もっと別の意味ではないか?」と思ったら、それでいいんです。
好きに考えて見てくださいね。
会話を続ける方法「会話を深める質問とは?」
会話を深めるとはどういうことでしょうか。
それは、「今話題になっているテーマについてより詳しい話に入っていくこと」としましょう。
例えばこういうことです。
何気ない雑談の中で、Aさんがこんな話ををしたとしましょう。
会話を深めるということは、Aさんが何について話をしたいのかを考えて見ましょう。
これは憶測になってしまいますので、感覚でいいと思います。
僕なら「プレゼンで緊張するのをどうにかしたい」というのがテーマであり、話したいことだ考えます。
キーワードを挙げるなら「プレゼン」と「人前での緊張」ですね。
話の内容からもう少し詳しく言葉を抜き出してみましょう。
- 年末にプレゼンをしないといけなくなった
- 人前で話すのが緊張するから苦手
- 人前での緊張対策として本やセミナーを探してる
- 以前にプレゼンで失敗して苦手意識がある
これらについてどんな質問が浮かびますか?
- 何がきっかけでプレゼンをしないといけなくなったのですか?
- プレゼンは何をテーマに話すんですか?
- 人前で話すのは、前からずっと苦手なんですか?
- 本やセミナーで対策は見つかりましたか?
- 以前にプレゼンで失敗って何があったんですか?
会話を深めるということは、主のテーマについて、詳しい話に入っていくことだと書きました。
そう考えると、「以前にプレゼンで失敗って何があったんですか?」という質問は、深まっていってはいないですよね。
この中で会話が深まる質問となると「プレゼンは何をテーマに話すんですか?」あたりからがいいのではないでしょうか。
「人前で話す」ということに話が進んでいくと、プレゼンというテーマからは逸れていってしまうかもしれません。
「プレゼン+人前」を軸に質問していくと、会話が深まるということです。
職場では人前でプレゼンする機会はよくあるんですか?
でもいいと思います。
会話を深めるということは、相手が話の軸にしたいことについて、さらに詳しく聞いていくことです。
それを質問していくことで、会話が深まるということですね。
会話を続ける方法「会話を広げる質問とは?」
では、会話を広げる質問とはどういう質問でしょうか。
「プレゼン+人前」が軸にあると書きましたが、その話題よりももう少し大きなテーマにして、別の話題を始める。
それが話を広げる質問としてはどうでしょうか。
「今の職場って、そうやってプレゼンをする機会って多いんですか?」
この質問はどうでしょうか?
プレゼンには触れていますが、Aさんが年末にプレゼンをすること、人前で緊張することには触れていません。
ですので、深まる質問ではありません。
でも「職場でのプレゼン」というテーマとして、話が広がって行きそうですよね。
これが会話が広がる質問としてはどうでしょうか。
会話を深める質問と深める質問を比較
これではちょっと分かりにくいかもしれませんので、2つを比較してみます。
雑談の中のワンシーン。
深まる質問「何の映画を観たんですか?」や「どの辺の席?」
深まる質問とは、まさに「昨日、映画館で映画を観たこと」について話をしていく質問です。
広がる質問「サスペンス映画は得意でないってことは、普段は別のジャンルの映画を観るんですか?」
広がる質問とは、「昨日、映画館で映画を観たこと」ではなく、そこから少しはずれていく質問です。
言葉にするのが難しいんですが、もう少しお付き合い下さい。
話の軸は「映画館で映画を観たこと」です。
観たのは「昨日」です。
「映画館で映画を観たこと」であっても、「久し振りってことは前に見たのはいつくらい?」という質問になると、深まる質問ではないということです。
「普段は別のジャンルの映画を観るんですか?」となると、「昨日、映画館で映画を観たこと」はもはや関係ありません。
ただ、関連する話題ですので、広がる質問になるということです。
会話を続ける方法は質問力を鍛える まとめ
最後にまとめます。
- 相手の話を聞きながら、話したいことである「軸」を見極めましょう
- その「軸」について詳しく教えてもらうのが深まる質問です
- その「軸」と同じ枠で少しずらした質問が広がる質問です
実際は文字通りにはいかないこともよくあります。
僕が大事だなと思うのは、いきなり広げる質問をしないということです。
相手の方が話したいことがあるなら、そこについて深まる質問をしながら話していただき、深まってきたら、広がる質問に移ってみるのもいいと思います。
僕は、普段の雑談の中で、こういうことを考えながら質問をしてるかというと、そんなことはありません。
皆さんに少しでも理屈として「質問力」や「コミュ力」のことを知ってもらえたらと思って書いていますが、雑談の中の一瞬一瞬で、広がる質問をしよう、とか、深まる質問をしよう、とかは考える余裕がありません。
基本は、深まる質問で、あとは、タイミングみて広がるような質問をするというだけです。
僕が知る限り、質問力について発信している人でも、きっと、こういったテクニックとか理論とか考えながら質問はしていないと思います。
あとは慣れと感覚です。
質問力を鍛える方法というのは、日々行うから鍛えることが出来るんです。筋トレと一緒です。
たまにしか人と話さない、その時に質問力の練習をしようとしても、なかなか質問が出てこないかもしれません。
質問力を鍛えるおすすめの方法は、誰かの会話について、「軸は何か?深まる質問は?広がる質問は?」ということを、毎日ノートに書き続けることです。
テレビで誰かがエピソードを話していたら、それについて、「軸、深まる質問、広がる質問」という3つをノートに書き出す。
それを毎日繰り返せば、恐らく質問力は確実についてきます。
今回は以上です。
質問力については、理屈よりも慣れのほうが大事だと思いますので、セッションの中で、会話や質問に慣れる機会を作れたらと思っています。
雑談で話を引き出すのが上手い人になりたい方はこちらも読んでみて下さい。