聞き上手は自分の話をしない?職場の人は私に質問ばかりです

聞き上手は自分の話をしない?職場の人は私に質問ばかりです

職場の人の話しです。とても優しい人で話しやすくて素敵な人ですが、少し気になることがあります。それは、色々と質問してくれるので私のことはよく話すんですが、その人はほとんど自分のことを話しません。私から質問すると、少しは答えてくれますが、すぐに質問で返されます。私からするとその人はすごく聞き上手な人という印象なんです、聞き上手な人って自分の話はしないものなんでしょうか。

お悩み相談に回答します。

30代男性会社員の方からです。

それでは回答です。

自分の話をしない理由4つ

自分の話をしない理由4つ
自分の話をしない理由4つ

その人が、なぜ自分の話をあまりしないのかは分かりません。

その人しか分からないことですので、いくら考えても正解は出ないんですが、可能性としてはこういうことがありえます。

  • 自分のことを話すのが苦手
  • 自分のことを話すのを避けたい
  • 相手のことをとにかく知りたい
  • 自分のことを話さないほうが聞き上手だと思っている

恐らくこのあたりでしょう。

「苦手」というのは、単に、自分のことを上手く話す自信がないから話さないケース。話すネタがないケース。

「避けたい」というのは、過去に、自分のことを誰かに話して、それが原因でトラブルが起きた、嫌なことがあったというケース。

「知りたい」というのは知りたがりな性格で、とにかく相手から情報を得たいから、質問中心で自分の話をしないケース。

そして最後。これは過去の私がそうでした。

「自分のことを話さないほうが聞き上手だと思っている」

聞き上手というのは、「相手にいかに気持ちよく話してもらうかが大事」というのは、よく言われることです。

だから、効果的な質問をして、相手にたくさん話してもらいましょう。だって、人は自分のことを話したいという欲求がありますからね、という理屈です。

さて。

その人が、この4つのどれかに当てはまるかは分かりませんし、他の理由があるのかもしれません。

では、回答に入りますね。

今回は「聞き上手な人って自分の話はしないものなんでしょうか?」という部分に対してご回答しますので、参考にしてみて下さい。

結論から言うと、「私の考えでは、聞き上手は自分の話もします。」となります。

解説しますね。

聞き上手 自分の話をしない?いえ、自分の話もします

聞き上手 自分の話をしない?いえ、自分の話もします
聞き上手 自分の話をしない?いえ、自分の話もします

まず「聞き上手」という定義は人によって違うと思いますが、ここではこうしておきましょう。

「話しを聞くのが上手く、ついつい何でも話しをしてしまう人。」

あくまで今回定義しただけですので、ぜひご自身でも考えてみて下さいね。

ここでポイントは「ついつい何でも話しをしてしまう人」という点です。

聞き上手な人は、相槌が心地よかったり、優しく頷きながら聞いてくれたりという特徴がありますが、「話しをしてしまうのはどういう人か」となると、「共有、共感してくれる人」という条件もあると思います。

雑談のような会話で大事なのは、この「共有、共感」だと思います。

この共有してる感覚、共感してくれている感覚を生み出せるのが、コミュ力が高い人だと私は思います。

自分のことを話さない人と、共有、共感ってできますか?

例えば、あなたが、好きなミュージシャンの話しを相手にしているとしましょう。

Aさんはとても話しを聞いてくれる人だけど自分の話を全然しないので、Aさんがどんな音楽が好きなのかも知りません。質問すると、「まあ、音楽は流行りのものばかりかな」という感じであまり自分のことを話してくれません。でも、聞くのは上手。

Bさんも話しを聞くのは上手だけど、自分の話しをするのも好き。だからBさんも自分と同じミュージシャンが好きなことを知っている。

あなたは、AさんとBさん、どちらとお話ししたいと思いますか?

私なら迷わずBさんなんです。

Aさんは、自分のことをほとんど話さないので、共有、共感をしにくいんです。

Bさんは、Aさんほど上手に聞いてくれるわけではありませんが、同じミュージシャンが好きということもあって、そのミュージシャンについての情報を共有したり、コンサートに行った時の感動を共感しあえたりします。

もし、Bさんが自分と違うミュージシャンを好きだったとしても、「違うミュージシャンが好き」ということを知れたわけですから、そのミュージシャンのどこが好きなの?と質問することもできるわけです。

そうやって、二人で会話を作っていけるんですね。

この「二人で」というところがポイントです。

コミュニケーションの語源はラテン語のコミュニスです(諸説あります)。

コミュニスには「共通の」といった意味があり、「共」という文字がコミュニケーションの根本にあると私は考えています。

そう考えると、あなたが話してばかりで、相手の方は聞いてばかりということであれば、それは、話題を共有しているというより、あなたが一方的に話題や情報を提供しているという感じがします。

コミュニケーション力が高い人は、話題も感情も一方通行ではなく、双方向のやりとりをする人だと思います。

ということで、まとめるとこうなります。

  • 私の考えでは、聞き上手は自分の話もします
  • ついつい何でも話しをしてしまう人が聞き上手
  • 聞き上手は自分のことも話して、話題や感情を共有共感します

決して、その相手の人が聞き上手ではないという意味ではないですよ。

あくまで、私が考える聞き上手な人とは異なるかなという印象があるということです。

参考にしていただけたらと思います。

聞き上手になるには自分の話はしない方がいい、とは違う

会話というのは、結局はバランスが大事なんです。

自分の話をしたり、相手の話しを聞いたりのバランスです。

私はコミュニケーションコーチングの際に、「あなたにとって、心地よい会話というのは、話す時間と聞く時間のバランスで考えると、何対何ですか?」と質問することがあります。

ご回答で多いのが「聞く時間6、話す時間4」くらいの割合が理想です、というお答えです。

人によって、話すのが好きな人もいれば、聞いてる時間のほうが好きな人もいます。

本当に人それぞれです。

ですので、一概に、何割くらい話して、何割くらい聞くのがベストというのはありません。

相手に合わせたり、自分に合わせてもらったりしながら、会話というのは成り立つんだと思います。

決して、自分の話はしない方がいいなんてことはありません。

また、同じ人と話す場合でも、今日は自分が話す時間8割で相手が2割、ところが、次の日は自分が話す時間が3割で相手が7割、なんてこともあります。

ベストな配分なんてありませんから、その都度、相手との会話を上手くコントロールできるのがコミュ力が高い人かと思います。

余談ですが。

かなり前の話しですが、ダウンタウンナウという番組で、萩本欽一さんが出演されていた回がありました。

ダウンタウンの浜田さんが、萩本さんに質問したんです。

すると萩本さんは浜田さんに向かって「まず自分のことを話せ!」と言われたんですね。

その時のシーンがものすごく鮮明に残っています。

インタビューや悩み相談なら、どちらかが一方的に話すこともあると思いますが、雑談であれば、自分のことを話して、相手にも話してもらうということも大切だと感じました。

最近思うのは、相手が自分のことを話してくれると安心できる部分もあるということです。

特に初対面だったり、まだ出会っても間もない時期というのは、相手は「よく知らない人」です。

言い方が悪いかもしれませんが、初対面の人は「得たいのしれない人物」とも言えます。

やっぱり人って、得たいのしれない人やモノに対して、あるいは、見通しの立たない未来にも、警戒心を持つものだと感じます。

だから、自分のことを開示していったほうが、相手も話しやすくなると思うんです。

自分の話しをしない人がつまらないとまでは言いませんが、さっきも言いましたが、話題や感情を共有できたほうが、会話って楽しい気がしませんか?

そう考えると、自分の話しをして、相手に自分のことを伝えるというのは、大切なコミュニケーションですし、聞き上手な人というのは、相手が安心して話せるように、自分のことも上手く話してる人なのかなと思います。

聞き上手な人になりたい方も参考にしていただけたらと思います。

以上です。

聞き上手は自分の話をしない? まとめ

このブログでは、コミュニケーションをテーマにしています。

ご相談は、職場でのことでしたが、「自分のことを話すことが聞き上手に繋がる」という点で言うと、学校の友達、バイト先の先輩や後輩、ママ友、サークル仲間、共通の趣味を持つ集まりなど、どんな場面でもあっても、自分のことを話すことは大切です。

「聞き上手は自分の話をしない」どころか、上手く自己開示をして、相手が話しやすい雰囲気を作れる人こそ、聞き上手なんです。

もちろん、自分の話をしないほうがいい場面もあります。

初対面で、いきなり自分のプライベートな深い話しをしても、相手はビックリしたり、怖いと思ったりするかもしれません。

これは、質問力も同様で、初対面ではいきなり距離を詰め過ぎないほうが賢明です。

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